ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

Qアノンと偽情報の拡散は、スマホ人間の教養がないから。学校教育で対抗できるか。

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Qアノンのごとき陰謀論の拡散は以前からあった。今もあるらしい。
ネットは誰でも、発信できる。しかし、マスコミと同じように、玉石混交、ほとんどは偽情報に過ぎない。

なのに頭から信じ込む輩がいる。ネット閲覧者は膨大で、ロングテール理論からすれば、Qアノン信者が何十万人何百万人いても、おかしくはない。だから、トランプもそれを引用し、利用もした。結果は、あのとおりである。

ある情報に、陰謀を想定し、分析することは、面白い遊びである。陰謀は誰でも持つことができるし、それこそすべてが陰謀と考えることもできる。対人関係も、商売も、学校の試験ですら、陰謀と言えるだろう。人が相手を都合よく選別したり、誘導したり、金を出させて利を得ようとするのは、当然のことである。
その結果、まんまとだまされることは、自然であり、経済の流れである。
今日はお安くなっています、お得ですよ。の類で、商人自身が値札を付けているくせに、既存の何者かがいるようなふりをする。


陰謀論は、論理性の欠如を特徴とする。あまりにも荒唐無稽でめちゃくちゃなものを、頭から信じ込んでしまうような人は、自己の知性を疑ったほうがいい。

Qアノンの流行は、ネット時代の特徴である。スマホを眺め続けて、短絡的で、都合のよい「お知らせ」を正しいと思い、その他を、真実隠ぺいの手先だと邪推して否定する、簡単で単純な思考方法である。
一言でいえば、Qアノンの主張らしきことは、人身売買、小児性愛や、新型コロナウイルス感染拡大、ワクチン接種等が、一部特権階級の陰謀であるとする。

Qアノン信者は、権威否定と反知性主義の味付けをもつ人が多い。

言うべきことに形がなかったけれども、「陰謀を暴く」というお手軽な内容なら、自分でもできる、自分だからできる。

それを信じている、またはそのふりをして、陰謀論を拡散する。正義の使者である。嬉しくてたまらない。
アンチ権威や草の根民主主義を掲げる人は、自己主張が強く、他人に説教したくてたまらない。自分は気づているけれど、他の人は気づいていない愚かな人で、それを教えるのは、私の役目だと思いたがる。優越感を求める自己愛連合であり、図々しい人々であり、承認欲求の異常に強い連中でもある。
つまりは読書不足の人々の特徴である。

 

ネットでの怪しい情報拡散は、人が読書をしなくなり、スマホ画面をよだれを垂らしながら見るようになって、急激に加速した。対象を、落ち着いて吟味しないからである。

 

それらは、良書を読めば解決する。

しかしながら、良書の選択ですら、困難で長い訓練を必要とするわけだから、Qアノン信者のような、既存権威を否定し、自分は真実を知っていて、それを暴いているのだという楽しい優越感に浸ることができる趣味人には、無力かもしれない。

 

読書を中心とした教養を大切にする習慣がなくなった今、これからも、Qアノンのごとき、怪しい情報は、ネットを中心にマスコミ全般に、拡散し続けることだろう。

学校教育ができることは、良書の選択眼と文章の分析とを、子供に育てることしかないだろうが、しかしそれこそが、確実な対抗策である。