ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

入試が良くても欠席数で不合格。退学 留年は歩留まり。

 

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なんとか希望校に入学できたのはいいが、学校が嫌になって退学したり、「問題行動」等で退学させられたりする子供がいる。

子供が中途で来なくなると、本人よりも、学校が困る。評判を落とすことになって、翌年の募集に影響するからだ。

だから、学校側は、退学しそうな子どもを入学させたくない。特に、私立の中学や高校はそうである。
先のことは誰にもわからないから、受験者の前年度の欠席数で、予測する。欠席日数が多い子供は、どんなに入学試験の結果がよくても、不合格である。
そんなわけで、小学校や中学校は、休まない方がいい。うっかり休むと、進学に影響する。

しかし、前年度の欠席数で判断するなんて、めちゃくちゃである。
入学試験の成績が良ければ、入れてやったらどうだ。
怠学や退学になったとしても、学校を責めたりはしない。
予断で、入学させないことが一番悪い。

学校を休むには、それなりの理由があったからだ。一年中、休まずに通学するなんて価値のある学校は、極めてまれである。というより、存在しない。プラトンのアカデメイアでも、休む人はたくさんいた。前夜の飲みすぎ遊びすぎが原因でも、諒とした。

さて、どんな学校でも、特に義務教育以外の学校では、中退や留年は、歩留まりで、当然である。各々事情がある。

多くの高校では、本来、入学すべきではない(高校の授業内容が理解できない、または、学習に興味も関心もなく、親が「高校ぐらい出てくれ」と言うので仕方なく入学した)生徒が、一定量含まれている。
留年や退学は、誰にでもあることで、みながみな、同じように進級、卒業する方が、かえって不気味である。

学校側も工夫が足りなかった点があるにしても、「中退や留年が多いのは学校の責任」などという発想は、禁物である。
これは、どんな生徒でも、入学した限りは、学校が、うまくその生徒を卒業させてくれる、させねばならない、というような、学校保護者双方の甘えがある。

教育の質が悪くて、退学留年が多いのなら、そんな学校はどうせ潰れる。

学校は、生徒の興味関心を引き出す、なんてキレイ事を言うが、万能なわけではもちろんない。むしろ、恒常的に力不足である。

学習意欲は、児童生徒学生が、まず持っていなければならない。そもそも種のないところに、どれほど水や光を与えても、芽が出るわけがない。
たとえ百歩譲って、学習への興味関心知的欲求がない生徒でも、教員の指示を守って、課題を提出し、最低必要日数を出席していたら、留年や退学の措置を取らないのが、通常の学校である。

学校は、児童生徒学生に、「どうか、学校にいらっしゃって、お勉強していただけないでしょうか」などと、お願いするところではない(一部の私学には、このような「お客様本位」の学校もある)。

留年退学、大いに結構。それが嫌なら、ともかく、しっかり勉強せよ。
学業に不熱心な児童生徒学生諸君に対しては、常識のある厳しい処置を、遠慮なくやってくれ。