ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

公立の名門高校が一番お得である。落ち目の私立高校は、大損となるかも。

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公立の名門高校が、中学生とその保護者にとって、お得な進学先と言えようが、希望の公立高校に入ろうにも、受験させてもらえなければ、話が進まない。

各中学校は、子供の普段の成績も加味して、本人の希望よりも、進路指導担当の意向で、ほとんどの進学先を決定する。
試験に落ちて、行く先がなくなると、中学生浪人である。これは、断固避けたい。どこかの高校に押し込みたい。
進路担当はそう考える。

公立高校は、きっちり、ランク分けされている。親子がどんなに言い張っても、偏差値その他から判断して、希望校が難しい場合、ランクを下げていく。よほどのことがない限り、どこかに合格させてしまうのが、進路担当の腕である。

そんなわけで、地域と年度によっても違うが、公立高校受験生のほとんどが、なんとか受かるように仕組んできた。
落ちた数パーセントは残念ではあるが、しかし、当該高校を受けるだけの実力があったと仮定されるから、泣く泣くランクが下位の私立高校に入学しても、そこで上位を保つことが多い。ランクが上の私学には、そもそも最初から受験していない。

以上の事情は、公立高校の強さを証明している。新入生の粒がそれなりに揃うので、公立とはいえ、義務教育期の小中学校とは違って、授業を予定通りに進めることができる。校則違反者や、授業に文句をつけたり、宿題の山に四の五の言う生徒は、どうぞ退学なさってかまいませんよ、と学校側も強く出る。
私立高校が中途退学を嫌がるのに比べて、公立は割とあっさりと認める。まあ、人生色々あるさ、で片づける。

こう書くと、公立高校のマイナス面であるようだが、違う。むしろ、利点である。
学校は、教員が、子供に対して、ある一定の行動を押し付けるところでもある。許容範囲はあるが、逸脱は許さない。現に、子供は逸脱しない。不気味なくらいである。

だから、公立高校は、通う子供にとっても、勤める教員にとっても、平穏で、安楽なのである。

公立高校は、私立高校と違って、学年団や教科グループ内部で、教員が、互いに争う。大学進学率で、他の公立高校と激しく優劣を競う。これが各教員への有形無形の圧迫となって、苦しんだり辞めたり自殺したりする者もある。しかし、概ね、公立高校の教員は安定している。

私立高校は、一つ一つが独立の「会社」だから、景気の良い優良企業のような「有名」私立高校は、公立高教員よりも、圧倒的に安逸を貪ることができる。

しかし、私立高校で優良企業は、驚くほど数少ない。ほとんどの私立高校は「落ち目」であって、先のないことを、理事会も教職員も、何より生徒自身が感づいている。こうなると、もう、最悪である。
どのように、坂を転がり落ちていくのだろうか。 

続く。