私立高校は、「悪い評判」を恐れて、少しでも良いイメージになるように、あの手この手で、画策する。
真面目に、教員の技量を上げ、営業努力して、本校生徒のレベルを上げようとするのなら、まだ救いがある。
ところが、現実は、安直な偏差値操作である。
A校は、B校より数ポイント高い、今年のC校はD校に抜かれただのと、肝心の授業下手や理事会のお粗末さを忘れて、一喜一憂する。
しかし、私立学校の偏差値ほどいい加減なものはない。
「特進」と呼ばれる特別進学クラスをでっちあげて、まあまあできるらしい生徒を買ってくる。中高一貫校は小学6年生を買う。高校からでも中途入学できる一貫校は、公立中学校から出来のいい子供を買ってくる。
買うというのは、字義通りであって、受験料や授業料をタダにしたり、その他の便宜を図る。この連中に、名のみに過ぎないのに、いわゆる有名大学に合格してもらって、当校の評判を上げようという魂胆である。
なるほど、特進の子供は、来てやってるんだという顔をしている。ほかの一般入試で入ってきた生徒と違って、授業料を出していないくせに、態度が人一倍大きい。
ただでなけりゃ、こんな学校に来るわけないじゃん、とばかり顎を突き出す。
二流三流の私立高校や、やがて転落する可能性のある「名門校」は、さぞかし辛いことだろう。こうまでして、「インチキ」をして、特進クラスの偏差値を上げて、全国高校偏差値ランキングに、学校名を載せてもらいたくて仕方がない。
偏差値の横の小さな欄を、よくよく見ると、普通科ではない。
探求科、国際科学科、医科進クラス、理数科、その他、なんだか、わけわからない名目の類である。その生徒数たるや、全校生徒のほんの一握りである。馬鹿馬鹿しい。
筑駒、茶水、灘、開成が、そんなまねをするか。下って、都立でも西や日比谷が特進コースなんてつくるわけがない。
偏差値で自慢したいのなら、全校生徒全員の偏差値で、堂々と勝負したらどうか。
紛らわしい真似はよせ。