ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

男の娘、ミス筑駒が目玉の文化祭。屋台遊びばかりの大学祭。

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筑波大附属駒場中高校の文化祭を見た。筑駒は、東京在住の、進学熱にうなされた親にとって、キラキラな男子校である。
小学生の低学年をつれた夫婦が多かった。在校生の親もちらほら。

意外にも、小学高学年が見当たらない。小学5年生や6年生にとっては、あまりに現実的に過ぎるからである。成績が筑駒受験に相応な子は、自宅または塾で勉強しているだろう。まったく可能性のない子は、見に来ないだろう。
親は、小学低学年のわが子が、高学年になる頃には、学力が急激に伸びるだろうことを期待または確信するからこそ、ああして、子供の手を引っ張って、文化祭なりと見に来たのである。涙である。


イベントの流し方はおおむね普通だが、レッドだのオレンジだの当日配布のタイムテーブルだの、行事と場所との案内が、わかりにくい。お粗末至極なパンフレットである。
どうせ、業者に作らせたのだろう、生徒の熱が全然伝わってこない。

 

学校行事なので、子供の展示や発表の評価は配慮がいる。「見た中では」という、条件付きで、感想を少し。

中高農芸部がよろしい。学園祭の発表展示は、かくありたい。

中学1年生の「幕張マッセ!」は、手作り感があって、実験説明の中学生のトークも面白く、参観者に楽しさが伝わった。

高校1-3HRの劇「あゆみ」。少ない人数で、うまく展開していたが、この程度の脚本は、既存のものを使うのではなく、自分たちで書いてほしかった。また、書くことができるはずである。

筑駒Jugglersのジャグリング。コミカルに楽しませてくれた。見応えあり。

中高音楽部。規模は小さいが、曲目が洗練されている。音程等、些細なミスも、許容範囲である。

ミス筑駒。筑駒文化祭の目玉である。他にミスター筑駒があるが、男子校でミスターコンテストをするのは、女装とマッチョとの、バランスのためかもしれない。

 

ミス筑駒イベントは、準備、時間、予算等、他を圧している。この企画が生徒や父兄一般客に人気があるだけでなく、実際に宣伝力があって、文化祭全体の認知度を高めているからだろう。
高崎高校のそれとは違って、予備選がないようである。あらかじめ他薦だか自薦だかで、5人に絞って本番に臨ませているらしい。
ご丁寧に、数週間前から、ネットで宣伝している。
ネット戦略をする割には、本番の様子が動画として流れていないのが不思議である。5人の女装男子は、自己紹介や寸劇やらで2時間近く頑張った。コンテスト出場者も大変である。
化粧や服装に、生徒本人の手作り感がない。プロに頼んでいるのではないか。
素材を無理やり押し上げているような風があるのは、都内の大学祭のミスコンに影響されたからだろう。
男の娘として、高崎は素材を売り、筑駒は装飾で売る趣がある。

 

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ミス筑駒 コンテスト

 

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中高音楽部

 

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なかなかの熱演だった 「あゆみ」

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大学祭は、この時期が最も多い。いずれも、学生本人が騒いで飲んで遊ぶためのもので、大方の大人は見向きもしない。
表参道駅からすぐの大学など、正門を入るなり、屋台テントの連続で、学生たちや子供たちでごった返して、互いに食べあって喜んでいる。それだけのことで、見るべき何物もない。

年々、大学祭がつまらないものになってきている。高校文化祭はまだ、細い命脈を保っている。

少しでも盛り上げるためには、一芸披露やミスコン・ミスターコンに頼らざるを得ないのかもれない。