ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

パンツを、はいていただけませんでしょうか。教員は素晴らしくローコストで、ハイリターン。

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公営の温水プールで、こんなことを見た。

日曜日の午後、プールの更衣室に、小学校高学年の男の子とその父親とが入ってきた。空いたロッカーは、少なかった。
子供は、気が急いている。着替えるのが早い。父親は、壁ひとつ隔てた反対側のロッカーを見つけたらしい。そして、驚くなかれ、こう言った。
「あとから言って悪いけど、こっちのロッカーに入れないかい」。
息子は、ふん、とうなずいて、シャツとズボンとを持って、移っていった。

これを、気がきいて優しく、よい父親というのだろうか。子供を大切に育てていることになるのだろうか。

「こちらのロッカーに入れなさい」の一言で十分である。
遠慮がちの猫なで声で、わが子にへり下るのなら、いっそのこと、お着替えをお持ちしましょうか、お足をお入れください、などと言え。海水パンツを抱えて、子供の前に跪けばよかろうに。


不気味に物分かりのよい、怪しげな親が増えている。
自家用車で、王子様よろしくプールにご案内し、軽くリフレッシュしていただき、帰りには、レストラン(ホテルのダイニングルームなら、なおよい)でご夕食。
50インチの液晶テレビに、新型iPadにiフォン、パソコン、ゲーム機、モトバイク、金で買えるものなら何でも買って差し上げる。
今風親父は、子供のためならば、金に糸目をつけません。勉強してくださってるのだもの、何でも買って差し上げる。

こうなりゃ、とことんやらせていただきます。雨でも降れば、お風邪を召されたら大変だ、お車で学校までお送りし、帰りは下校時間の十分前には校門前までお迎えだぁ。
家にご到着されたなら、軽食(春摘みダージリンに添加物なしのクッキー)とデザート(お好きなメロンか、マスカット)をとりあえず召し上がっていただき、そのまま塾までひと走り。塾が終わるまで、パパは煙草でもやって、車で待たせていただきます。

お疲れ様。

とはいえ、家族力動は外から、うかがい知れないものである。
甘やかしのように見えても、その実、うまくいっている場合もあり、いわゆる躾の行き届いた子供であっても、案外に、でたらめなことになったりもするので、これもまた、個人の事情である。

教職も然りであって、とても教員に向きそうもない者が、学力その他の指導の、成功例がある。逆に、子供時代に学業成績もよく、教員からの評価も高かった者が、いざ教員になってみると、さっぱりな例もある。むしろその方が多い。

今、教員は、なりやすい職業である。
教員採用試験に合格しないのは、面接その他の運もあるだろうが、そもそも、筆記試験にすら受からないような学力では、どうしようもない。あの程度のペーパーで合格点を稼ぐことができないのなら、教員には、最初から無理である。厳しいようだが、言っておく。
医学部や理工学部公認会計士、司法試験その他の筆記試験に比べて、教員採用試験が、簡単明瞭なことは誰でもわかるだろう。それすら突破できないで、何十人もの他人の子供の「師」になろうなんて、無礼である。

非常勤講師や臨時教員で、来夏の採用試験を準備している人がいるだろう。または、受験勉強に徹して、職に就かず、勉強している人がいるだろう。学部生は無論である。
経済面や精神的な状況が違うから、一概に言えないが、すでに受験経験がある人は、すっぱり職を辞して、受験に集中すべきである。
と、言いたいところだが、この十年を見ると、教員採用試験がかなり甘くなっている。何年間も、非常勤や常勤を務めていた人が、よく採用される。いつ勉強したんだろうかと不思議だが、要は、筆記試験の難易度が低くなっているのである。

採用試験は非公開だから、情実が入る余地がたくさんある。そもそも、採用基準、採点用紙、採用得点ライン等、中身が公開されないのだから、闇また闇である。

しかし、学部生や、まだ二十代の人たちに言っておくが、教員は、他の職業に比べて、断然、ローリスクハイリターンである。
経済的、社会的、趣味的、安楽的、安定的、要するに何でもいいが、ともかく、よい仕事なのである。
職業や将来について、真面目に悩んでる人には、ぜひ、おススメしたい。