ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

AKB48「願いごとの持ち腐れ」ミュージックビデオは、いかがなものか。

 

 

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昨日、偶然に、AKB48の曲、「願いごとの持ち腐れ」のミュージックビデオを見た。
この曲がいつごろから流れているかは知らない。だが、一見して、この音楽ビデオは危険だと感じた。

設定は、廃校となる公立小学校での色々であるが、そもそも、この場所や話は全て架空で、登場人物も子供を含めてすべて芸人だろうと推測する。

そうでなければいけないのである。当事者である、子供や現職の教員が、販売されるCDやDVDの宣伝をするわけにはいかない。

しかし、ミュージックビデオは、なかなかの現実感を出している。子供たちの歌う姿に涙をぬぐう親のカット、子供のメッセージを読む姿、教員たちのたたずまいなど、リアル感いっぱいで、多くの人は、これは現実かと勘違いしてしまうのではないか。
最初の場面での、鏡山小学校の閉校のあれこれを説明をする教員役の演技も、なかなかである。(現実に、浜松市立鏡山小学校は閉校したようだ)

どうも後味が悪い。


かつてAKBは「恋するフョーチュンクッキー」で、全国の自治体や会社組織を巻き込んで、ダンスの動画で話題を拡散した。
興行主の秋元氏の才は、抜きんでている。

今度は、廃校もののドキュメント風作品で、誰もが持つノスタルジックなセンチメントを売り出した。
NHK全国音楽コンクールの中学校課題曲にも決まっているという。
歌いやすく簡単な曲であるし、AKBの曲だから、中学生も抵抗なく、むしろ喜んで歌うだろう。

全国の小中学校の音楽教員が、目の色変えるだろうことは、容易に想像がつく。小学校の学級担任なんて、朝の会で毎日、子供に歌わせかねない。
学校特有の甘いロマンと、テレビやCDの宣伝とが、微妙にマッチングしてしまうのである。

しかし、しかしながらである。
大学教育を筆頭に、教育ビジネスは沸騰している。教育は、誰もが無視するこのできない巨大な集金場なのである。
以前、学校経営は、無難な商売だと書いたが、大学や高校のそれは、金まみれだから、まだいい。
義務教育期の小中学校までが、ビジネスにあからさまに、利用、活用、引用されることは、望ましくない。

AKBグループは、日本発の、世界に通用するビジネスモデルである。日本の文化、であるかもしれない。
しかし、小学校を題材に、さも現実風に、MVを作ったのは、やりすぎである。ターゲットは、むしろオブラートに隠していた方が、いいのである。