ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

担任教員への手紙。油断大敵、保護者は力不足の教員を淘汰する。

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以下は、某小学校の保護者が、担任教員へ出した手紙である。いつのものだか、分からないが、手書きである。
教授技量が足りない教員は、淘汰されることになるかもしれない。

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前略

いつもお世話になっています。
さて、二三気づきがございますので、ご参考までに。

五年生二学期ともなれば、小学校高学年の学習内容も難度を増し、各教科のまとめとしても大切な時期でございます。
児童も長い休暇のたるみや疲れから勉強のペースをつかみかねている場合もございましょう。二学期の二日目であるのに、授業時数のほとんどが席や係りの決定に使用されるというのは、やや時間の使い方に工夫が必要なのではありませんか。

4月当初の時間割では、国語、国語、算数かと思います。学期はじめですから、変更するというのは、よくあることですが、それはそれなりに、学習面でも配慮が必要かと思います。
児童が、一日一日、今日はこれだけ学んだ、分かった、進歩した、ということを、実際上、感じられ自覚できるような毎日でありたいものです。
また、学習形態や基本的な学習内容に関わることは、教員が決定すべきで、児童との話し合い相談などで、決めるべきことではございません。そのようなことをしたからといって、授業がやりやすくなったり、授業中落ち着きのない児童が落ち着くようになるなどと言う安易なことは期待できません。授業の組織者としての教員が、学級全体の状況を把握し、決定して進めて行けばよいことです。


細かいことですが、次のようなことも大切かと思います。

一、課題は多めに、そして容易なもの、難易なもの、取り混ぜて満遍なく出してください。また、家庭学習用の課題は、児童の進度により、授業時間等にも可能な限りさせるようにしていただきたい。

そのことで、児童は時間の使い方や、学習を自己の努力でより前に進めるということが体感できるようになります。また、早くできた児童に、他の児童の指導をさせることがあるようですが、これはやむを得ない緊急的な方法であることを教員は知っておいてください。

教えるのは教員の仕事であって、早くできた児童には、次の課題を与えるのが本筋でしょう。むやみに全体の進度をそろえるために、児童の足をひっぱるようなことがあってはなりません。

二、学級を混乱させるような児童の行動があったときは、断固とした態度で指導してください。児童やその保護者におもねる必要はありません。

三、時間の使い方を、教師自身が身をもって示してほしい。教員が、だらだらとした指導や話をしないように、要点をつかんだ話し方を普段からするようにしてください。

また、プリント等も効率のよい内容で、少な目に出し、まとめ方の手本となるようなものを出してほしい。人の発言の聴き方やノートの書き方などの基本的な学習習慣を、常日頃から児童に体得させるようにしてほしい。

四、理解と速度とは、ある程度一致します。作業や理解が速いことは(もちろんそれさえあればいいというものではございませんが)、学習の、きわめて大切な事柄です。

その速さを鍛えるために、いろいろな工夫をする必要があります。

例えば、課題ができた順から、教員のところにノートを持ってこさせる。黒板にノートの内容を要約して板書させる。速くできた児童数人をその場で立たせる(これは全員にしてはなりませんが、十人程度だと、その児童は誇らしく感じるはずです)。

「速くできる」ことの大切さを教員自身も自覚し、それを表に出さねばなりません。この子はノンビリだから(要するに作業や理解が遅いから)というように決めつけて、それが、さもその児童を理解し大切にしているというような、素振りをしたり、自らへの卑怯な納得をしたりすることは、教えるプロとしての教員には、あってはならないことです。

のんびりとは、要するに遅いことです。それは集中力が鍛えられていなかったり、学習の要点をつかむ訓練が足りなかったりするから、遅いのです。

このような現状に満足せず、次の段階へ、少しずつでも、伸ばしていくことが、それが、児童の進歩や成長というものではございませんか。

以上のようなことをすっきりと理解するためには、例えば、日々の学習をピアノの練習であると考えてみてください。どのようにしてピアノを学びますか。

学校は、児童におもねる場所ではございません。確かに、学級には様々なお子さんがいらっしゃり、指導に手がかかる場合もおありでしょうが、その子供たちの個別の状況に応じて、学習の進歩を計ることが必要であろうと思います。

法規に定められているとおりに、学習指導要領の基準に沿って、子供の学力を付けるべくご努力をさなっていることと感謝しております。それが、今後の社会において、生きる力の総合的な土台となっていくことでしょう。
今後とも、厳しく、そして児童も保護者も、学習の進歩を確認できるようにご指導のほど、よろしくお願いいたします。     
草々
 
 □□年□月□日
               ○○親
△△先生

 

 

〇  耳に心地よい文章。一葉はすべて読むこと。

明治文學全集 30 樋口一葉集

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