ぱるるの教育批評

教育、受験、学校その他あれこれ

成績優秀の小学生は、中学で苛められる。進学先は慎重に選べ、とか。

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某Z氏が語ることには。

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それほど遠くない昔、学級の子供に、男子Aと女子Bとがいた。

中島敦調に言うなら、両名とも学業優秀にして人格高潔である。

ともかくも、よくできる子供である。

 

学級の子供の半数は、国立や私立に進む。Zは、A、Bが進学に迷っているようなので、保護者と面談した。

さて、Aの保護者は、「世間に出れば、色々な人がいる。中学のときから、いろんな子と交わることも、大切である。ゆえに公立中学に行かせたい」。

Bの保護者は「本人の友達が公立に行くらしいので、公立でいいと思う」
と、両保護者とも、公立中に進ませる考えのようだ。

実は、学区の公立中は、市内でも、生徒が粗暴で問題が多く、荒れた中学校だった。

Zは、親の意見に逆らってまで、国立や私立への進学を推すことはしない。大きなお世話であろうし、余計なことである。

しかし、学級の子供には、抜群の学力をつけた。どの中学に入っても、学年で上位5パーセントに入るように、6年の総仕上げも終わった頃(6年生12月)から、中学進学の内容を取り混ぜた授業をした。小学校卒業式の前日までには、中学1年の数学と国語の要点を教え終えていた。

 

Zは、AやBの学力を考えると、国大附属や難関私立に進まないことを、惜しいとも思ったが、それ以上に、本人達の優しい性格が件(くだん)の公立中で、うまくやっていけるかどうかが、心配だったのである。


両名とも、公立中に入った。それから数十年が過ぎた。

後のことや今のことは、くだくだしいので省くが、中学校3年間については、次のようになった。

Aは陸上部に入る。勉強は、当然よくできる。他の子供ともうまく付き合った。

Bは、たちまちいじめにあう。生意気だ、話が合わない、とかで、学級のボスから疎外される。半年で不登校とまではいかないが、休みがちになる。中学2年3年と、墜落するように成績が下がった。

 

さて、言いたいのは次のことである。

どんな学校に行っても、結局は、子供次第である。
しかし、子供本人にとって、生活しやすい環境、学校がある。
いわゆる「同調圧力」の強い日本の学校・学級では、突出して、成績が良かったりすると、嫉妬や憎しみの対象にされてしまう。「みんな同じ」が、大好きな国民性である。子供社会も変わりはしない。

十代の子供のだれもが、どんな環境の中でも、上手に泳ぐことができるとは限らない。子供の進学先を間違えると、地獄になる。


近年、公立中学でのいじめは、一時に比べると、少なくなっているように思える。
とはいえ、地域や学校で、千差万別である。親は、油断せず、事前に調べて、よく見極めてから、進学先を決める必要があるだろう。

どんな環境でも、自分らしくやっていけるのは、稀有な才能であり、強さである。まるでアレクサンダーだ。
しかし、子供はそんなに強くない。子供を、救命具もなく荒れた海に放り出すのは、親の怠慢である。

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とかの話である。

教員の多くが経験していることだろう。
伝統があり、在校生の気持ちが安定していて、特定大学に進学率の高い中高一貫の私立校に進んだ子は、概ねうまくやっていける(例外あり)。

その一方、~は、とまでは言うつもりはないし、詳しいデータもないので、ここまでにしておく。

蛇足だろうが、親たる者、しっかりと考えることだ。中学高校の6年間は短くはないし、のちの人生へ与える影響は、あなた自身が体験したように、決して小さくはない(とはいっても、無限に重大視する必要はない)。

 

追記

私立一貫校が良い点は、子供たちの同質性である。教員のレベルは、公立学校の方が、圧倒的に良い。

進学先に限らず、どのみち、子供本人であり、運命である。良い運命を手繰り寄せるのも、その子供の実力なのであろうか。