子育てに、不安を持った経験のない親は、いないだろう。どんなに「良い子」でも、妙に変になる時期がある。
学校では、わが子はどうしているのだろう。
子供の成長は、教員によって大きく変わる。成長させてくれる教員は「大当たり」である。それほどでもない、または、子供の足を引っ張る教員は「外れ」である。
かように、担任教員には、当たり外れがある。これはどうしようもないことで、運命と諦めるしかない。
家庭では、どうだろうか。
全部とは言わないが、日本の親には、次のような傾向がある。
親と子供とは、互いに理解し合っていると、勝手に思い込む。自分にとっての、理想的な親子関係ができて当然と、勘違いする。神経質な親が多い。特に母親が。
不安をもつ母親に、商売人が目をつけないはずがない。心理療法の亜流の、その横道みたいな各種の団体または個人が、施術、技法、面接おしゃべり、あれこれ不可思議な類が、雨後の筍、湿った倉庫のカビのごとくに生え広がった。
子育て相談、子供を伸ばす方法、母親の悩みを解決、親子連鎖論、母子関係父子関係等々、勝手に屁理屈をつけて、派手に宣伝する。簡単にネットで拡散できるから、これは金になる安直ビジネスと、商売人なら気づくだろう。
少し話が脱線するが、日本人はお説教が大好きで、するのも、されるのも、快感である。
あれはああだ、これはこうだ、実は何々で、こうしなさい、ああしてはいけません、などと一方的に言わてしまうと、嬉しくて仕方がない。簡単に言えば、独立心がなく、依存心が強く、甘えっ子なのである。
安倍某総理が、トランプ某大統領に、頭をなでてもらって、ニコニコと心底嬉しそうなのも、同類の説明で事足りる、と我が友は言う。それを馬鹿なマスコミが、例によって手放しで持ち上げるのだと。
相手はビジネスマンである。頭をなでるにはそれなりの理由がある。たっぷりと日本国民の税金を、分捕ってきた、分捕っている、これかもそうするに違いない。
アメリカのトランプカードで、日本のお子様プレイヤーは、散々踊らされることだろう。その結果、日本国民は、またしても負債が増え続けることだろう。と、これもまた酔眼の友が、話したのである。
それはともかく、話を戻すと、
「あなたの子育ては、ここが間違いだ。あなたに、こんな原因があるから、子供がこうなった」などと、説教されると、即座に信じ込んで、熱心な会員、信徒、信者、檀家、弟子、となる。一件落着する。
思えば、これほど他人の言説を信じやすい、信じたがりの、甘えん坊の、神経質の、繊細で、ナイーブで、信念の希薄な、幼い国民、または親たちは、世界中を探しても、なかなか見つからないのではなかろうか。
鏡の中の間抜け面をつくづく見て、我ながら思うのである。