教員の「お仕事」
授業の目的は、子供の知性を高めることである。しかし、実際には、全然理解されていない。子供にではなく、教員に理解されていないのだ。 知性を高める授業とは、何だろう。授業前と授業後では、何かが変わった、向上した、と子供自身がはっきりと自覚できる…
知人が来て言うには、学校現場のゆったり感は半端ない、とのことである。 ーーーーー学校の授業が全然なくても、当然のように、給料はそのまま振り込まれている。学校教員の高笑いが聞こえそうである。 なんて言うと、憎々しいようだが、そうでもない。学校…
文中の指導者とは、授業を進める人、つまり授業をしている教員のことである。 授業批評9 子供が、指導者の指示をすぐに理解し、行動に移すことができた。指示が明確である。 引き算の筆算。 学習姿勢を確認したのはいい。グループごとの確認は、時間をとるも…
近頃、小学校現場で、音読をさせることが少ない。というより、皆無である。これは、音読で育った世代が、現役学校教員として、完全に死に絶えたからである。もはや朗々と子供が本を読む声が、学校の教室の窓から聞こえることはなくなった。今後もないだろう…
某人、つくづく述べたことには。 ーーーーー女性教員だから、男性教員だからと、云々すると、性差別だとジェンダー論者から叱られそうである。しかしながら、夏は暑く、梅雨時には雨が降るというように、至極当然の話をしたい。もちろん、大体においての雑駁…
某教員曰く、小学校高学年で音読を厳しく指導していたら、なるほど、そこそこの成果が上がって、ぐんぐんと子供たちの音読が向上した。ところが、授業中、教室の子供が挙手して言う。「先生、今なんて言いました?」子供は教員の滑舌の曖昧さを指摘したので…
子供は、誰もが背伸びをする。子供は挑戦したがっている。現在の自分より少し上を常に望んでいる。なかなかの自信家であり自尊感情が強い。 子供に、知的な興味関心を育てることは簡単で、対象を子供に提示するだけでいい。もっとも、こんな簡単なことでも、…
私立学校には、建学の精神というほどのものがある。半ば形骸化して、惰性で続いているだけのような学校も、創立者の理念だの、建学の精神だの、能書きだけは一流である。とすれば、私立学校は、学校ごとに大きな特色があって当然で、ない方がおかしいことに…
ある人来たりて、嘆息して曰く。 今時、在籍数1000人を越えるような公立小中学校は珍しいが、都会またはその近郊では一学年5クラス6クラスの小学校が存在する。たとえば、ここに某公立小学校Xがある。 一年生が6クラスとすると、その中にたったひとり、際だ…
この中学校は、どこでもいい。たとえば、あなたの住んでいる近くの中学校を想像してみればいい。中学生(男子)と高校生(女子)の子を持つ親から聞いた話である。 ーーーーーーーーーーどの中学校も、中学生という難しい時期の子供を扱うわけですから、学年…
二流三流の中学や高校では、と書くと、怒り出す人がいるだろうが、その実、誰でも、学校には、一流から末流まであることは知っている。 同じ二流三流であっても、教員にとって、勤務校や担当教科によって、天国と地獄との差異がある。天国は、のんびりゆっく…
夕涼みである。知人来りて言うには。 近頃の校長は変わっている。校内で、教職員が「校長」と呼ぶと、怒り出す。「○○校長先生」と呼ばないと機嫌が悪い。教頭も以下同文で、同僚教員が「○○教頭」と呼ぶと、ぷいと横を向く。「○○教頭先生」と言ってやらないと…
身銭を切って、何かを学ぶことを、利巧という。道に知識を拾わないものは馬鹿だ、と露伴は言った。 頼まれもしないのに、自分の意思で学ぼうとするのは、何ものかを得るための最良の方法である。他人にものを教えることが職業のはずの教員が、自分でも学ぼう…
過日、東北某県の市立中学教員と話をしていて、当方も内情を知らないわけでもないから、朝からジャージ着て笛吹いていればいいのだから気楽なものだろう、と言うと、まったくその通りですと答えた。中学教員になって以来、ずっと担任をしているとのことであ…
教員は、何事につけても、苦しみ悩む仕事である。その一方、マイペースでお気楽で安楽な仕事でもある。その差はどこから来るのだろう。 幼稚園小学校中学校高等学校大学大学院等の勤務先による、職種による、担当教科による、教員の能力による。つまりは、種…
どの社会でも、人間関係は難しい。子供相手の仕事である学校教員も、同僚や教育事務所、行政他等の人間模様の中にある。 学校は、行事等で、多人数が一度に同じことをする。実際には、「たいしたこと」はないのだが、それを「たいしたこと」と考える人間がい…
悩む人は悩むもので、ことさらに仕事を難しくする。これは、半ば習性または性格、あるいは悪癖であろう。国語科の授業は、教科書とチョーク1本で済むものを、やたらとピント外れの予習や準備をする。プリントを多種大量に刷りまくる。自作プリントというら…
授業で、子供の、何を、どのように、どう伸ばすのか。 困ったものである。教員が自分の仕事でこんなことに悩むとは、実に遺憾である。 授業は、子供の学力を上げればいい。つまりは、授業前よりも授業後のほうが、当該教科の理解、認識、意欲、知識が増えて…
教科書には、ほとんど無難なことが書いてある。だからそのまま右から左に伝えても、まず間違いは起こらない。義務教育期の小中学校の教員は、教科書通りに教えることが常識となっている。 高校では、事情が少し複雑になる。高校では授業構造が短期間で変化す…
小論文指導について、すでに書いたと思うが、その続きのようなものである。 対象年齢によって、変化はない。小学校5年生から大学院まで、テキトーに変化させて指導すればいいだろう。 簡明簡潔有効な小論文の指導方法は、次のごとし。子供が書いた文章400字…
大学教員はインテリということになっている。しかし日本の大学教員は、教員としての能力がない、または著しく不足している。それなら、研究者としては、通用するのか。理系はともかく、文系は言うも哀れ、語るも涙である。何ら新しい発想がなく、時間つぶし…
教職は大変な仕事だと、中学校教員は言う。今の中学生は、指導が通らない、授業中も私語をする、口答えをする、立ち歩きをする。 親が悪い、社会が悪い、子供が悪い。しかし、当然のことを言って、どうなるのだろう。所詮、そんな子供相手の仕事が、教職であ…
校舎の外観だけを見ると、どの学校でも平穏無事に授業が行われていると、錯覚する。フランスの某小説に、幸福な人は一様に幸福だが、不幸な人々は、皆それぞれに不幸である、とかあったと記憶するが、その通り。ほとんどのすべての学校は、それぞれに不幸な…
教員になりたいという子供が多い。小学生ぐらいが可愛いからと、安直に小学校教員を志望する子供がいる。中学生は話が分かる年頃だからと、中学教員がいい、と言う子供もいる。危険な選択である。 小中学校は義務教育で、学校が多い。教員の採用数も多いだろ…
前回、小論文指導について書いた。続きである。 簡明簡潔有効な小論文の指導方法は、次のごとし。子供が書いた文章400字を、15秒で理解して、直すべきところを瞬時に見抜いて、妥当解を赤ペン及び口頭で指導する。すぐに書き直させる。1回の指導は長くても3…
「人間は、働きに応じた給料を得るべきではないか」正面から問われると、誰もが伏し目がちになるだろう。給料分の仕事をしているのは、いったいどこにいるのだろう。 公務員は不思議な商売で、景気によって評価が左右される。特に教員はそうである。景気のい…
教員は、小学校では、原則として、一人の教員がほとんどの教科を教える。これを学級担任制という。中学高校大学は教員各々の専門と称して、特定の教科を教えることが通常である。教科担任制という。 学級担任制の悪弊については、いずれ話す。 教科担任制は…
熱心に授業をして、子供に学力を本気でつけようとする教員は、一部の保護者や教員から陰に日向に非難される傾向がある。「遅れがちの子どもに目が向いていない」とか、「学校全体の授業進度を無視する」とか、「学習成績で子供を判断するのか」等々。自分の…
人間は環境の動物であるという。確かに、子供は環境の動物である。 雨が降れば、教室でじっとしているべきなのに、そうではない。ばたばたと廊下を走り回って遊んで、そのあげく、子供同士がぶつかって頭から血を出して、泣き叫ぶ。それを大人(教員)は、し…
学校教育が年々難しいものになっている。学力をつけようにも、成果がなかなか上がらない。ひとりの教員の力で、学級全体を制御することが、難しくなってきた。学校生活が、教員も子供も、苦しい。教員の教授能力や子供の学習能力の低下であろうか。学校教育…